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iUの目指す未来の大学ビジョン 〜好きなことをやり通せ!〜 i専門職大学 宮島徹雄事務局長

 2019年度、新制大学の制度として「専門職大学」という新たな大学形態がスタートしました。既存の専門学校とは何が異なるのか、既成の総合型大学とは何が異なるのか、新進気鋭の起業家を育成する大学として名を馳せているiUの宮島事務局長にお話を伺います。

 今回のインタビュー第1弾では、iU宮島事務局長の教育理念や教育ビジョンを伺い、第2弾では、コロナ禍におけるiUの対応、iUの具体的な授業内容、総合型大学と専門職大学の役割が機能分化していく今後の変遷についてお話をお聞きします。

宮島徹雄 ~ Tetsuo Miyajima ~

<Profile>
・関西学院大学卒業、株式会社リクルート入社、入社後は教育事業、不動産事業を15年経験する。辻調グループに転職し、10年半の勤務,在職中は副校長、本部長、企画部長等を務める。その後はITベンチャー 株式会社エアトリの役員に就任後、学校法人電子学園に移り専門職大学設立準備室長に就任し、2020年iU情報経営イノベーション専門職大学イノベーションマネジメント局局長に就任。同時に学校法人電子学園理事と法人の事業会社であるi株式会社の代表取締役も兼務する。

<SNS・HP>
Twitter@BQeEyYP0fHTEVGT
・情報経営イノベーション専門職大学 (iU) HPi-u.ac.jp

 

自分の夢に突き進む学生を支援したい 〜リクルート、辻調グループを経て〜

ー まず最初に、宮島さんのキャリアを振り返ると、過去には大手リクルートでゼネラルマネージャーを担当されたり、調理師専門学校の募集立て直しにも貢献されました。その宮島さんがなぜ、「教育」という分野を考えられるに至ったのでしょうか。キッカケであったり、大切にしたい教育理念などがあればお聞かせ下さい。

宮島さん 私は15年間リクルートに関わっていましたが、その間の11年間は教育系の事業部に所属していました。その後の10年半は辻調グループに在籍し、最後は本部長と副校長を歴任させて頂きました。リクルートから辻調グループに移籍したキッカケとして、当時は広告を販売する営業マネージャーだったのですが、仕事の成果として達成感が得られたこともあり、今までの広告営業だけでなく、現場の実務の現場で自分の実力を試したみたいと考え始めました。

 リクルートに勤務している時、幸運にも担当していたお客さんから「募集を立て直して欲しい」との声を頂いたのです。辻調グループは私自身も好きな専門学校だったので一度チャレンジしてみたいという思いが強まりました。実際に学校に入ってみると、専門学校に通う子どもたちはすごくキラキラしていました。例えば、料理の場合、小学校や中学校の時に両親や知り合いに作った調理を食べてもらいすごく嬉しかった話など、目をキラキラ輝かせながらオープンキャンパスに来ていました。

 振り返ると、当時の私にはやりたいことがなく、大学でのラグビー活動を除き、高校は帰宅部で週末は麻雀に明け暮れていましたし、仕事を通じて何かを達成したいという大志はありませんでした。だからこそ、専門学校の学生たちを見て、自分より年下の学生たちがやりたいことを明確に発言する姿に感動させられました。

 現在、日本人の料理やお菓子作り、美容・理容やサービスのスキルは世界的にも並外れているのですが、実際の社会的な評価は低いのというのが事実です。専門学校に行きたいと語る成績優秀な生徒が「何でそこに行くの?」と突き返されたり、経済的理由で進学出来ないケースも見受けられます。ですが、好きなことを生涯の仕事に出来ることは、心底素晴らしいことだと思うので、そのようなチャレンジャーを応援しようと思い、教育に携わろうと決意しました。

ー 辻調グループに赴任した後はどの様な日々を送られ、なぜ専門職大学に携わるに至ったのでしょうか。

宮島さん 辻調グループでは、学生から感謝を記した直筆の手紙もらったり、宮島さんに「会えて人生が変わりました」と言ってくれる子どもがいました。他にも、リスクを取り、海を渡って日本料理を勉強したいという学生もいました。なので、彼らのような勇気ある学生たちがどうすれば好きなことを仕事に出来るのかずっと考えていました。そして、短期的な私の結論としては「やっぱり大学にしないと駄目だ」という意見に落ち着きました。

 その後は料理の大学を作るという構想を思索していましたが、当時は時期尚早だという判断も方やありました。だとも考えていました。しかし、年齢も50手前で人生も1回きりなので、思い切ってチャレンジする決断をしたのです。その後ベンチャー企業へ勤務したのですが、現在のiU(情報経営イノベーション専門職大学)の母体法人の経営陣の方から「大学を創るから、君がやってみないか?」とお声掛けをいただきました。大学は今、日本で800校ほどしかなく、その開設準備室長を担えるチャンスはそうありません。私も職業教育に特化した大学を創ることが夢だったので、チャレンジさせて頂きました。

 教育でしか世の中は変えれないと思います。私も高校時代は写真部でしたが、大学に入り、思い切って体育会のラグビー部に入部した時、必死に頑張ったら人は変われるのだと感じました。リクルートでも、最初は売れない営業マンでしたが、必死に頑張れば日本一の営業マンになれるということを経験しました。辻調グループでも、未経験の子たちが1〜2年経過した後に美味しい料理、お菓子を作り、目をキラキラさせて、社会に巣立っていく姿を見てきたのです。

Zoom取材にて

iUでは、600時間のインターンが必修、授業は原則40人以下、実務家教員が豊富

ー 新型コロナウイルス感染症などの対応に追われる大学教育ですが、2019年度に正式始動した専門職大学と既存の大学の比較については、どのように考察されていますか。 

宮島さん 既成大学の一部は変化を起こしにくい体質になっていると思います。組織が肥大化すればするほど数々の利害調整が必要になり、今回のオンライン授業への移行期についても、数えきれない試練があったと思います。その分、私たちの大学は小規模です。ですので、フットワーク軽く色々なことにトライし、成果を出して、既存の大学教育に一石を投じたいと思います。

 今は専門職大学と言われてピンとくる人は少ないでしょうし、私たちの大学も知名度や認知度は低いです。しかしそれでも、正式な認可を獲得して誕生した専門職大学に出願し、入学してくれる学生たちがいます。だからこそ、良い教育を受けてもらいたいという思いが、強い原動力になっていますね。10年、20年、30年たった後に「やっぱりiUに入学して良かった」と、新しい大学に入学してくれた子どもたちに思ってもらえるよう、邁進していきたいと思います。

ー 卵が先か鶏が先かという論題になりますが、専門学校に入学される方は自分自身の熱意や好きなことを追究されているとは思いますが、専門学校に入ったから好きなことを見つけて頑張れるのか、専門学校に入る学生は元々好きなことを見つけているのか、どちらだとお考えでしょうか。

宮島さん 彼らは、入学以前からやりたいことが明確だと思います。専門学校は明確に自分のやりたいことを行うことができ、短期間でスキルが身に付くので、既存の大学や専門職大学とは少し異なります。

 専門職大学の基本的な特徴としては、インターンが600時間以上必須だったり、実務家教員が多かったり、授業が原則40人以下などという、既成大学では実現出来なかった職業人育成に特化しています。社会に出たときに即戦力に近いスキルを身に付けられる大学なのです。既存の大学制度に不足している部分を追加した大学だと考えています。

ー あえてクリティカルな観点でお聞きすると「専門学校で好きなことを追究する人は入学以前からやりたいことが明確である」という前提条件を交えた場合、改革すべきは大学教育ではなく、幼児教育や初等教育、中等教育等ではないのでしょうか。入学時点で好きなことがない人はどうすれば良いのでしょうか。

宮島さん 確かに教育は、早いに越した事はありません。ですが、早めに幼児教育を導入したとて、40年たってもやりたいこと見つかってない人は多数いるのではないでしょうか。時期の早さや遅さはそれほど関係がないと思っています。もちろん幼児教育や有益な教育は早くから経験出来た方が良いのですが、その人によって好きなことに気づく時期は違います。様々な環境設定であったり、生まれ、保護者の経済力など色々な要素が複雑に絡みあっています。その様々なモノがシンクロした時に、彼ら彼女らにとっての”やりがい”が見つかるのだと思います。

 私は今、命をかける覚悟で仕事をしていますし、常に真剣勝負です。しかし、リクルート入社後も一生懸命仕事を行いましたが、営業が自分のやりたいことではありませんでした。だからこそ、今の私のようにどこで ”出会えるか” だと思います。そこに遅い早いの線引きはありません。専門学校に行くことだけが偉いとも思いません。大学行って自分のやりたいことを見つける人もすごく素敵だと思います。

Zoom取材で、教育への熱意を語る宮島事務局長

 私の場合、これといった趣味はないのですが、その分、今は仕事が趣味になっています。毎日が本当に楽しいのです。だからこそ、自分の好きな事、やりた事でリスクを取って起業したり、何かチャレンジしたい人がいれば、出来る限り応援したいなと思っています。

 何度も言いますが、人は絶対に変われます。見た目も(笑)。私は高校生の頃、写真部で体重が58kgしかなかったのですが、大学で体育会ラグビー部に入部し体重82キロまで増やしました。4年生の時にはラグビーの素人ながら副キャプテンも担いました。

たとえやりたいことがない人でも、トライできる環境を作りたい

ー 今ある日本の総合型大学では、必ずしも好きなことが見つかるとは限りませんね。

宮島さん 弊学でも「ここ(iU)にくれば新しいことが見つかるかも」という気持ちで入学した学生がいると思います。ですが、仮に今までは見つからなかったとしても、iUには面白い学生や面白い組織がたくさんあるので、自分でも熱中出来る対象を軸にしてサークルを立ち上げることが出来ます。サークルだけでなく、企業との連携も充実させています。

 私たちも可能な限り大学のキャンパスを開放してチャレンジしています。今年の大学生は例年と比較して、出会いの回数や機会が減少した事実は否めませんが、それでもオンライン環境を通じて自分から何かを試す事は出来ます。そういった自ら動ける学生をiUでは作りたいのです。何度もチャレンジして失敗し、時には怒られながら学んでいってほしいと思います。正解か間違いかは関係ありません。

ー iUでは、学生さんがブログを開始されていたり、意欲的な活動が窺えますね。一方、チャレンジや失敗が出来る環境としては、誰かの下でプロジェクトに共同参画するというケースでも経験出来ると思うのですが、「起業」というワードに注目された理由はありますでしょうか。並びに、プロジェクトメンバーとしての学びと、起業での学びにはどのような差があるのでしょうか。

宮島さん 学生自身、自らのチカラで立ってほしいと思って起業をテーマに設定しました。しかし、起業だけでなく企業などとのプロジェクトも推奨しています。1人1プロジェクト』という企画も来年から始動する予定です。起業するにせよ、プロジェクトに参加するにせよ、我々が希望するのは学生が主体的に色々な場面で挑戦してくれる事です。ですので、起業とプロジェクトでは確かに差がありますが、どちらが良い悪いという話ではなく、良い面も悪い面も積極的に体験してほしいと願っています。そこで生涯の友達や人生の師、商売の友人が見つかるかもしれません。

 iUでは、連携企業を学生に紹介する事も行っています。客員教員の方々と積極的に会いに行っている学生もいるようです。また、起業する際、その事業を「自分ごと」として捉えてもらうために、学生が起業の設立資金を捻出し、我々もその会社に出資して、大学内でシェアオフィスの提供が出来る環境もあります。

iUには、学生と教授、事務局が真剣に論議し、プレゼン出来る専用のプレゼンテーション室が敷設されている。
(画像引用:情報経営イノベーション専門職大学YouTube)

(取材:Masaharu Sumdia射落美生乃)
(Design:射落美生乃)

 次回の第2弾では、iUがコロナ禍に突入して改編した仕組み、客員教授の選抜プロセス、大学の機能分化について、未来の大局観をお聞きします。


 

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